美容系

ワセリンとヴァセリンの違いは名前じゃない!グリセリンとも違う!

2015年9月8日


ワセリンは、多くの家庭で使われてきたため馴染みのあるものですよね。
私も、肌の乾燥や湿疹、かぶれが起きると母親にワセリンをよく塗られたものです。

ところが、ヴァセリンという言葉もよく聞きます。2つは違うものなのでしょうか?
そこで、ワセリンとヴァセリンの違いや効果、使い方をまとめています。

ワセリン

ワセリンはペトロリアム(石油)の別名で、原料のことを指します。
そして、原料のペトロリアム(石油)を精製し半固形した軟膏のことをワセリンを呼び
ます。

原料のペトロリアム(石油)はペトロラタム(石油)と同じワセリンなので、製品の成分
にはペトロラタムと記載している製品があります。

ワセリンは肌に塗ることによって皮膚の水分の蒸発を防いでくれるので、乾燥対策に良い
とされています。

ヴァセリンの説明

続いて、ヴァセリンについて説明します。

ヴァセリンは、ユニリーバ社が出しているワセリンの商品名のことを指します。
つまり、ヴァセリンもペトロリウム(石油)から精製された半固形の軟膏で、ワセリンと同じも
のです。

使い方もほとんど同じワセリンとヴァセリンですが、ワセリンとヴァセリンは何が違うのかと
いうと

ワセリンとヴァセリンの違い

ワセリンもヴァセリンも、同じペトロリウム(石油)から精製されたものでありどちらも
ワセリンであるということがわかりました。

ペトロリアム(石油)ペトロラタム(石油)=ワセリン(呼び名)
||
ペトロリアム(石油)ペトロラタム(石油)=ヴァセリン(商品名)

しかし、ワセリンとユニリーバ社の商品であるヴァセリンには少し違いがあります。

ワセリンとヴァセリンの違い:種類・色

メモ

・ワセリンは「白色・半透明色」「第三類医薬品」
・ヴァセリンは「黄色ががった色」「化粧品」

ワセリンは第三類医薬品として販売されていて、精製された時の純度の違いによって種
類があります。ワセリンの種類には

白色ワセリン

日本でワセリンという場合には、基本的にはこの白色ワセリンを指すことが多く、白色ワ
セリンは純度が高く、皮膚の薄い部分に使用するには白色ワセリン以上を使う方が良いと
言われています。

プロペト

白色ワセリンの純度をさらに高めるとプロペトと呼ばれ、色は半透明色です。
純度が高いのでアトピーなどの敏感肌の方や赤ちゃんにも使用できます。
また白色ワセリンと比べて伸びが良いのも特徴です。

サンホワイト

サンホワイトというのは、ワセリンの中で最も純度が高いワセリンです。
その分値段は高くなりますが、プロペトも肌に合わなかったという方はこちらを試してみ
ると良いかもしれません。

ワセリンの市販薬の種類は ワセリンは使い方で選ぶ方が良い!

季節で感じる乾燥、暖房や冷房などからくる乾燥、今では1年中肌の乾燥に悩んでいる かもしれません。 肌がかさかさになっていたり、唇が荒れてしまったり…そんな時に肌の乾燥防止対策で ワセリンを使う人は多い ...

ユニリーバ社の商品であるヴァセリンは「化粧品」として扱われています。
ドラックストアなどで見ること多いヴァセリンは黄色ががった色。

ヴァセリンの色が黄色がかっているのは、ワセリンより不純物などが少し多くなっている為
です。ヴァセリンにも白色ワセリンを使用した製品は販売されています。
白色ワセリンが成分になるヴァセリンには

参考

ヴァセリンペトロリュームジェリー
ヴァセリン Healing Jelly Original

白色ワセリンの場合成分に「100%ホワイトペトロラタム(WHITE PETROLATUM)」
と記載があるので確認して購入してくださいね。敏感肌の方や皮膚の薄い部分に使用す
る時は白色ワセリンが成分のヴァセリンを選ぶことをおすすめします。

ワセリン・ヴァセリンの不純物

天然成分になるワセリン(石油)にはもとも水や砂などの様々な成分が含まれています。
それをできるかぎり取り除き、ワセリンやヴァセリンという製品として販売されています。

第三類医薬品と化粧品

日本での第三類医薬品と化粧品の違いには

第三類医薬品

第三類医薬品とは、摂取した際、わずかながらも副作用に注意が必要とされる医薬品の
ことを指します。

第三類医薬品は薬剤師または登録販売者が販売でき、私達も店頭で手に取ることがで
きます。また、医薬品は商品に効果・効能を記載できます。

化粧品

化粧品とは、身体への作用が軽く身体を保護・美化するあなどの美容商品です。
医薬品とは違い、具体的な効果や効能を商品に記載できません。
化粧品は、薬剤師または登録販売者以外でも販売できます。

第三類医薬品になる白色ワセリン以上を病院で処方されるのも納得です。

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ワセリンとヴァセリンの違い:成分

次に、成分についてですが、ヴァセリンや白色ワセリンなど上に挙げた種類の成分はすべ
てワセリンと同じ成分になり、違いはありません。

ワセリンは、石油から精製されたものなので肌に塗ることで油の膜を作ってくれます。
その油の膜が、肌の水分が蒸発するのを予防し乾燥の予防に役立ちます。

ただ、さきほどの種類で紹介したようにそのワセリンに含まれる不純物の割合には違いが
あります。

ワセリンとヴァセリンの副作用

ワセリンやヴァセリン両方の成分であるワセリンは、副作用として

・かゆみ
・かぶれ
・発疹

接触皮膚炎が一部報告されています。
接触皮膚炎はかぶれとも呼ばれていて、今まで何も起こっていなくても突然起こることが
ある皮膚炎です。例えば毎日使っているパックでも接触皮膚炎になることもあります。

なぜ突然接触皮膚炎が起こっておしまうのかは現在のところわかっていません。

今までワセリンやヴァセリンで何も問題がなかったとしても、肌に直接塗って使うワセリ
ンやヴァセリンで接触皮膚炎になることもあります。

使用後に顔がかゆくなったという例もあるので、少しでも皮膚に違和感を感じた場合や長
期間の使用には注意する必要があります。今まで何もなかったとしても、使う場合は少し
ずつ試しながら使うことをおすすめします。

ワセリンの値段

基本的に、純度が高くなるほど値段が高くなります。これまで紹介してきた種類だと、
ヴァセリン→白色ワセリン→プロペト→サンホワイトの順に値段が高くなります。

ワセリンとヴァセリンとは別に乾燥対策に効果的なものに「ニベア」があります。
ニベアはワセリンとどう違うのか、ヴァセリンのように違いがないのか気になります。

ワセリンとニベアの違い

ワセリン:
油の膜を張り肌の水分の蒸発を予防。しかし肌の水分量が増えることはない。

ニベア:
肌に水分量を増やす。しかし水分の蒸発予防はワセリンよりも低くなる。

ワセリンと似たような用途で使われる「ニベア」ワセリンとニベアの違いは何かというと

ワセリンは、石油由来のワセリンだけで作られているのに対して、ニベアにはワセリンに加
えて乳化成分や保湿成分などいくつかの成分が加えられて作られています。

ニベアに加えられている乳化成分の役割は水と油のつなぎとなる成分で、保湿成分の役
割りは肌の水分量を増やしやすくし、その水分を保持させます。

ニベアは、油であるワセリンに液体である保湿成分を混ぜ、その2つを混ぜるために乳化
成分を加えているということになります。

ニベアは他の成分を加えているため、肌から水分の蒸発の予防はワセリンよりも劣る
一方、保湿効果もあるのが特徴です。

ニベア単体で使用をするのは手軽で良いですが、保湿に特化した化粧水などの上からワ
セリンを塗る方法が、肌の乾燥対策としては1番効果が高いとされています。

ワセリンとグリセリンの違い

ワセリン:
油の膜を張り肌の水分の蒸発を予防する。しかし肌の水分量は増やさない。

グリセリン:
水分と混ぜて使用することでより肌の内部に届きやすく水分量を増やし
やすい。しかし水分の蒸発を予防する役割はない。

続いては、グリセリンとの違いです。
グリセリンは、植物の油から精製された無色透明のとろっとした液体です。

ワセリンは肌の水分が蒸発しないように保護する役割のみで保湿効果はありませんが、
グリセリンには吸水効果があるため水分とともに使用することで肌の内部に届きやすい
ので保湿の効果があります。

そのためグリセリンは化粧品にもよく使用されています。

肌水分の蒸発を予防する 肌水分を増やす 肌の炎症の抑え、血流を整える
ワセリン X X
ニベア X
グリセリン X X

ハンドクリームとして有名なユースキンもこのグリセリンを成分に含んでいます。
ユースキンは、肌の水分量を増やし炎症を抑え血流を整える成分があり、水分を保
つ働きがあります。

ワセリンとヴァセリンどっちを使う?

ここまで違いを見てきたところで、用途ごとにヴァセリンとワセリンのどちらを使う方が
良いのかを見ていきます。

ワセリン:赤ちゃん肌、敏感肌

乳児湿疹や赤ちゃん、敏感肌の方の乾燥などには不純物の少ないワセリンがおすすめ
です。

ただし、赤ちゃんや敏感肌の方の肌が赤くなる場合には皮膚が炎症を起こしている状態
です。ワセリンが原因なのか、肌の潤い不足からの炎症なのか、病院に行って塗り薬を処
方してもらったり、ワセリンの使い方や塗り方を教えてもらうようにします。

基本的にワセリンは赤ちゃんの肌荒れの時に皮膚科で処方する塗り薬ですが、保湿効果
はないのでワセリンだけでは不十分の場合があります。

敏感肌の方や赤ちゃんでない限り、身体の保湿をする場合にはヴァセリンでも良いと思い
ます。

ワセリン:ニキビ対策

ニキビ→肌の乾燥→乾燥対策=ワセリン→ニキビ予防

ワセリンはニキビ対策にも使用できます。と言っても、直接ニキビ箇所に塗って治す方法
ではなくニキビ予防としての使用です。

ニキビができる原因の1つとして挙げられるのが、乾燥による肌のバリア機能の低下で
す。この機能が低下すると、毛穴がふさがりやすくなり結果としてニキビができてしまう
のです。

ワセリンを塗ることで肌のバリア機能を回復できるのでニキビ対策にはもってこいです。
顔に塗るので白色ワセリン以上が良いですね。

なお、ニキビに直接塗るのは辞めたほうがよいのと、元々オイリー肌の方はワセリンを塗る
ことによって毛穴を塞いでしまう可能性もあるので使用は避けるのをすすめします。

ワセリン:日焼け予防

ワセリンは、肌に水分を閉じ込めてくれることから化粧下地として使用している方もいます。
ワセリンを下地に使いその上から日焼け止めを塗ることによってムラなく日焼け止めを塗る
ことができます。

ワセリンを塗った箇所は日焼けしやすくなるという説があるのは、ワセリンに含まれる不
純物が太陽に当たることにより酸化して肌に着色して黒くなるということがその根拠です。

不純物の酸化が根拠になるので、不純物のほとんど含まれていない白色ワセリンを使用
する分には大きな問題はないというのが大方の説ですが、油焼けをしてしまうとシミにな
ってしまうので、心配な方は使用を避けたほうが良さそうです。

唇:ワセリン・ヴァセリン

基本的にはヴァセリンとワセリンのどちらも唇に使うことができます。

ヴァセリンからは唇用に色付き・香りつきなど様々なリップが発売されています。
リップクリームとして作られているので保湿成分配合、潤いが継続しやすい、使いやす
いリップクリームです。

白色ワセリンにリップクリームタイプはないですが、いつもより唇が荒れていたり、皮が
むけた状態や敏感肌の方は白色ワセリンから試すことをおすすめします。

リップクリームではないのでツヤツヤとした見た目ではなく、潤いも長くは続きません。
そして、多く塗ってしまうとべたつくので少量を小まめに塗るようにすると使いやすいです。

白色ワセリン以上は赤ちゃんにも使用できるものなので、口に入ったとしても問題はありません。
少し心配な場合は唇には皮膚科で処方することが多いプロペト以上を使うとより安心です。

リップクリームで言うとヴァセリンシリーズも人気ですが、ニベアのリップバームも缶が小さ
くその可愛さから人気があります。

ワセリン:花粉症

ワセリンは、花粉症にも有効と言われています。
小鼻や鼻の入口、鼻の中、まぶたなど目の周りに塗ることで花粉をキャッチしてくれます。

鼻の中やまぶたなど粘膜や皮膚の薄い部分に使用するので、ヴァセリンではなく純度の
高い白色ワセリン以上のものを使うのがおすすめです。
ワセリンを花粉症の鼻の症状に使う場合はぜひこちらも参考にしてください。

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ワセリン:痔

内痔核を戻す時にワセリンを塗って処置する、排便の前後にワセリンを塗っておくなど痔
への対応として使用する場合もあります。
日常的な薬としての服用は医療機関で診療を受け処方されたものを使用して下さい。

ワセリン:まつげ伸ばし

医学的根拠はなく、口コミで話題になっているのがまつげを伸ばすためにワセリンを塗る
という使用方法です。

一説によると、ワセリンを塗ることで乾燥を防ぎ根本が元気になることからハリが出てく
るのだそうです。

しかし、まつげダニというワセリンを好物とするダニが寄ってくる可能性もあることから
使用は慎重に検討してください。

ワセリンで症状が悪化

ワセリンをつけたことによって乾燥が悪化してしまう場合があります。

ワセリンは、肌内部の水分の蒸発を予防する膜を作ります。
水分の蒸発を予防する膜を作っている状態を長く続けていると、ワセリンの油分に体内
の油分が反応して肌から油分がなくなってしまうインナードライ状態になってしまいます。

インナードライ状態にならないためにはワセリンだけでなく、保湿成分を持つ化粧水など
の上からワセリンを塗るのことを大切です。

またニキビの項目でもお話しましたが、油分が多い方はワセリンを塗ることで毛穴が詰ま
りやすくなってしまう可能性があります。
そうすると毛穴がつまりニキビや汗疹の原因になってしまうことがあるので注意が必要です。

ワセリンを混ぜる効果

ワセリンを、他のものと混ぜて効能を高めて使用する方法もあります。

ワセリンとニベア

もともと、ニベアはワセリンに保湿成分や乳化成分を加えたものです。
つまり、ワセリンの持つ肌から水分を逃さないようにする効果はニベアでは少し薄くなります。

両者を混ぜることで、ニベアで保湿をしながらワセリンでさらに乾燥を予防します。

ワセリンとベビーオイル

ベビーオイルはその主成分がミネラルオイルであり名称こそワセリンとの違いがあります
が、このミネラルオイルも石油から精製されたものです。

肌に塗った時の役割も両者は同じなのですが、ベビーオイルとワセリンを混ぜることでより
伸びがよくなり扱いやすくなるという理由からこの2つを混ぜて使用する方もいます。

今回は、ワセリンとヴァセリンの違いやワセリンの効果や使い方について説明してきました。

よく聞くヴァセリンというのは、ユニリーバ社の商品名だったのですね。
知らなかった方も多いのではないでしょうか?

効能を理解すれば様々な用途に使えるのがワセリンです。
ぜひ自分の肌に合ったワセリンを見つけてみて下さいね。

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