ファッション

ブレザー ジャケットの違いは?見るとわかる簡単な違いには

2016年8月2日

洋服を購入しようとお店に入ると
「このジャケットはカジュアルな時も少し改まった時でも使えますよ」
「ブレザーを1つ持っていると洋服の雰囲気を変えてくれるので便利です」

同じ紺の上着でも気のせいか場所によって呼び方が違うように
感じる事があります。

自分の中の区別には上下1組ではない上着でトラッドより、もしくは
トラッド傾向のブランドの上着、アイビースタイルの上着が「ブレザー」になり
その他は「ジャケット」のような気がしたのですが

ある日ゴルフ場に行く時は「ジャケット」ではなく「ブレザー」だと言われ
「ようするに紺のジャケットなの?」最終的には色で区別している状態になって
しまいました。

ファッション用語はかなりややこしく、新しい言葉もどんどん出てきて混乱する
のですが、「ブレザー」と「ジャケット」は昔からある言葉で何となく流しても
問題はなかったのですが、大きな間違いになる前に調べてみる事にしました。

ブレザー(blazer)

ブレザー(blazer)と呼ぶ時には
◎金属性の足付きボタン
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◎襟部分にはステッチがある
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◎胸ポケットはパッチポケット又はウェルトポケット

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◎エンブレムモチーフ
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◎ベンツ(後ろ見頃の切り込み)はセンターベント又はセンターフックベント

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◎パイピングのデザインがある
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これらの特徴が半分あるとブレザーと言われるのですが、商品で見てみると2個でも
シングルやダブルで「ブレザー(blazer)」と呼ぶことが多くなります。

ジャケットは「上着」と言うジャンル・部類を言い、ブレザーはジャケットの中の1つの種類です。

上着 → ジャケット → 種類【ブレザー(blazer)】

それではブレザーをジャケットと呼んでも問題はないようにも思うのですが、
やはりブレザーと呼ばれる衣類は最初「ジャケット」と呼ばれていました。

ブレザーは基本的には
「スポーツジャケット(sports jacket)」「スポーツコート(sports coat)」の一種。

「スポーツ(sports)」とあると、体を動かす、ルールに沿って行う、競技をする
時に着用する衣類だけのように感じるのですが、

「sport」の根本的な意味は
「自分自身の趣味や好きな事を追及する」「娯楽」「楽しみ」
そして「上下別々の」と言う意味。

例えば趣味でする事が多い魚釣り(フィッシング)、バード・ウォッチング
時にはハンティング、シューティング等それらを行う時に着用する衣類は
素材に耐久性、保水性のあるウールが多く使われ、機能性、運動性を考え作られます。

追及して作られた上着
スポーツジャケット(sports jacket)、スポーツコート(sports coat)を
「ブレザー(blazer)」と呼ぶようになったのは

イギリス海軍の軍艦ブレザー号のジャケット

イギリス海軍の軍艦ブレザー号ではそれまでの衣類とは違う
ダブルの打ち合わせ、金ボタン、ネイビーブルーのジャケットを全乗務員が着用
するようになります。

1837年ヴィクトリア女王が軍艦ブレザー号(HMS Blazer)を訪れた時、その風格
を気に入り1850年頃海軍全体に公式の制服として採用します。
このことがダブルタイプ「ダブルブレザー」の語源とされています。

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ケンブリッジ大学のカレッジカラー

1829年に始まったオックスフォード大学とケンブリッジ大学のボートレース
ザ・ボートレース(The Boat Race)と呼ばれ現在でも毎年4月に行われています。

1829年の第1回目のボートレースにケンブリッジ大学のカレッジカラーのユニホーム
「燃えるような(Blazer)真紅のジャケット」がシングルタイプ「シングルブレザー」
の語源と言われています。

海軍用のウエアやボートレース用のユニホームから
 ・軍艦ブレザー号(HMS Blazer)の海軍用のウエア「Blazer」
 ・ケンブリッジ大学のボートレース用に着用したユニホームのカレッジカラー
  燃えるような(Blazer)真紅の「Blazer」

これらの事から「ブレザー(blazer)」と呼ばれるようになります。
ゴルフ場に行くときに着用する事がある上着はジャケットではなくブレザーなのは
とても納得してしまいます。

ブレザー(blazer)は
「上下別々のジャケットでカジュアルタイプの上着」
になるので結婚式等の正式の場には向いていません。

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ジャケット(jacket)

スーツの上着やカジュアルな上着を指す時にも使われる「ジャケット(jacket)」
ジャケットと呼ばれる衣類はブレザーより多く、用途も幅広く、様々な素材を用い
て作られています。

ジャケットを羽織るだけでビジネスや改まった時にも使える装いになり

様々なデザインや素材のジャケットがあります。

ジャケットは基本的には前開き、袖付きのデザインになるのですが、頭からかぶる
プルオーバーの物もジャケットと呼びます。

「ブレザー(blazer)」と「ジャケット(jacket)」

ブレザーやジャケット等の「上着」は中世ヨーロッパ(イギリス)が起源と言われ
12世紀末に着用していたコット(cotte)と呼ばれるチュニック丈(膝上丈)の衣
服から13世紀には一番外に着用する長めの上着として「コート(coat)」と呼ばれ
るようになります。

15世紀には鎖帷子(くさりかたびら)の下に着用する腰丈の衣類「プールポワン
(pourpoint)」と呼ばれる衣類を外側に着用するようになり、
これが「ジャケット」の起源だと言われています。

プールポワンタイプの上着がジャケットと呼ばれるようになったのは
19世紀以降になります。

 ◎中世の男性用胴衣になるジャック(jacque)
 ◎衿のない肩におおいのあるジャーキン(jerkin)

これらの事から「ジャケット(jacket)」と呼ぶようになります。

昼間の男性用礼装になるフロックコートの丈を短くした背広の原型と言われる上着
イギリスでのラウンジジャケットやアメリカのウエストがゆったりしている
サック・コートが広まった事から

労働者向けの衣類であった丈の短い上着は様々な人達にも
「ジャケット(jacket)」として広がります。
ジャケットは外側に着用する「コート」から社会に対応して作られた上着になります。

12世紀の末:チュニック丈(膝上丈)の「コット(cotte)」
  ↓
13世紀頃 :丈が長めの「コート(coat)」
  ↓
14世紀頃 :腰丈の「プールポワン(pourpoint)」
  ↓
19世紀頃 :丈の短い上着「ジャケット(jacket)」
      ジャケットの1種に「ブレザー(blazer)」

ブレザー(blazer)は何かをする時に着用する、どこかに属している、制服等に
使われる事が多く、上着の中にブレザーの特徴が2つでも入っている場合
ジャケットではなく「ブレザー(blazer)」と呼ばれる事が多くなります。

エンブレムが付いたりシングルの打ち合わせがあるのは
スポーツジャケット(sports jacket)、スポーツコート(sports coat)の
名残になり

丈が長い上着の丈を短くしたデザインで作られたイギリス海軍将校の制服
ダブルの打ち合わせが多く、色は紺や黒、金属製のボタン、腰にポケットある
これらの特徴も名残としてブレザーのデザインに使われています。

 ・エンブレム
 ・金属製のボタン
 ・紺色や黒色
 ・腰のポケット
 
シングルやダブルに特にこれらの特徴があるとブレザーになるではと
感じています。

紺ブレと呼ばれる紺色のブレザーのイメージが強いのですが
無地の物以外にもストライプ柄や派手な柄が入ったブレザーもあります。

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