いつの頃から窓やベランダで見るようになった「赤い小さい虫」
寒い冬が終わり暖かくなる、窓を開けて過ごしたい時期に出て来ます。
春になると現れる赤い小さい虫は「タカラダニ」と言われ、蜘蛛のように見えるの
ですがダニの一種になります。
タカラダニには種類があり、海の近くで見る事が多かった「ハマベアナタカラダニ」
が海ではない場所でも見られるようになったと考えていたのですが
2001年に幼虫が発見された事で、海以外の場所見る事が多いタカラダニは
「カベアナタカラダニ」だと言う事がわかりました。
カベアナタカラダニ
赤い小さい虫の報告があったのは1980年頃、苦情が出始めたのは1987年頃
だと言われています。
虫が増えてしまう原因はその場所が虫にとって好きな場所であったり
虫の好きな餌がある事で増えてしまいます。
その事からカベアナタカラダニが成長・活動する季節に
カベアナタカラダニが好む餌がある場所に増えてしまったようです。
アップが少し気持ち悪いですが
季節
4月~6月頃
特に5月の連休ゴールデンウィーク頃からゴールデンウィーク明けに増える傾向
長くて7月頃までになり夏になるとカベアナタカラダニは
全く見る事がなくなります。
去年の卵は3月頃に幼虫、4月に若虫、5月に成虫になります。
カベアナタカラダニの餌
タカラダニは雑食になり菌や藻類、苔を食べたり昆虫について昆虫から出る体液を
餌にしています。
その中でもカベアナタカラダニは「花粉」を好む事がわかりました。
1年の内に最も花粉が多くなるのは植物が成長する季節「春」
日本では高度成長期になる1973年以降、生活環境が急激に変化した事で山や海だけ
ではなく街の中でも花粉が飛びやすい環境になります。
その事から1970年頃から花粉症の患者は急激に増え始めます。
「土が少ない場所」「乾燥しやすい場所」
コンクリートの建物や土が少ない場所、壁(石・レンガ等)には花粉や苔が付きや
すくなります。
苔が付きやすいコンクリートや壁の近くの庭にも苔がある事が多くなります。
山や海に比べて外敵が少ない場所に花粉が多くある
餌が豊富にある場所に「カベアナタカラダニ」が多くなります。
1973年以降カベアナタカラダニが好きな場所を増やしてしまったようです。
敵が少ないコンクリート・土が少ない場所・壁(石・レンガ等)
その場所には餌(花粉や苔等)が豊富にある
カベアナタカラダニはコンクリートの壁等が続く限り
2階や3階でも現れてしまいます。
カベアナタカラダニは飛ぶ事はないのですが、風に飛ばされて部屋の中に入ったり
洗濯物に付いたりする事があります。小さなカベアナタカラダニは網戸の目や少し
の隙間からも侵入しその事から部屋の清潔さはあまり関係がありません。
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カベアナタカラダニの駆除
カベアナタカラダニは強い虫ではありません。
一番早く安全な駆除の方法は「水で流す方法」
水で洗い流すにはカベアナタカラダニを取り除くだけではなく、餌になる
「花粉」「苔」その他の餌も洗い流す事が出来ます。
そして毎年同じ場所に発生してしまうのは、その場所に卵を産んでいる事で発生し
ています。コンクリートや土が少ない隙間には卵を産んでいるので
来年も発生しにくくなるようにしっかり水で流すようにします。
・コンクリートの壁やベランダ
・石やレンガ等の壁
・コンクリートと壁にある隙間
・庭
「カベアナタカラダニ」「卵」「餌」をしっかり洗い流します。
部屋に入って来たら潰さずに「掃除機」で吸い込みます。
カベアナタカラダニは強い虫ではないので、掃除機の中で生きる事は出来ません。
赤いシミになるので決して潰さないようにします。
掃除機までではない場合、ふんわりと「テープ」をカベアナタカラダニにあてて
貼り付けて取るとカベアナタカラダニだけを取る事が出来ます。
この時にも決して押しつけないようにして下さい。
カベアナタカラダニや虫を駆除しやすい成分
マンションに住んでいたり2階以上の場所では水で流す事が難しいく
ベランダの外や窓の周りを水浸しにするわけにはいきません。その場合
「侵入しにくくする」「これ以上に入らないようにする」
カベアナタカラダニを見つけたらこれ以上中に入らないように
動かなくする必要があります。
界面活性剤
界面活性剤が虫につく事で息が出来なくなり窒息させて駆除する事ができます。
界面活性剤が含まれている物には
洗濯用の液体洗剤や中性洗剤
食器用洗剤
住居用洗剤
スプレー消臭剤(リセッシュ等)
トイレ洗浄スプレー(トイレマジックリン等)
洗剤を使う時には水で薄めてからスプレーをします。泡立ちに注意する必要は
あるのですが、濃度が薄すぎると効果はありません。
スプレー消臭剤(リセッシュ等)やトイレ洗浄スプレー(トイレマジックリン等)
はそのままスプレーをして使います。
トイレの窓からカベアナタカラダニが侵入する事が多く、思わず目の前にあった
トイレ洗浄スプレーすると1日~2日は窓からの侵入を防ぐ事が出来ました。
しかし、泡の後が残るのが難点です。
ハッカ油
虫が嫌いない臭い成分「メントール」メントールが含まれている物に「ハッカ油」
があります。
部屋にスプレーをしたりする場合洗剤には抵抗があり、場所も2階であった事から
私自身ハッカ油をスプレーして使っています。ハッカ油も水で薄める場合あまり
薄いと効果がありません。
作り方
無水エタノール(10ml)
ハッカ油(50~60滴)
精製水(90ml)
※水道水やミネラルウォーター(硬水以外)でも可
無水エタノールとハッカ油を混ぜてから水を入れて良く混ぜスプレーをします。
無水エタノールを入れると揮発しやすくなります。
50滴は結構な量になるのですが、油シミが起る事はありません。
50滴より少ないとカベアナタカラダニは動き出しました。
カベアナタカラダニを見つけたらハッカの油で窒息させ、ハッカ油の成分が
カベアナタカラダニが部屋に入らないようにしてくれます。
ハッカ油のスプレーはペット(犬や猫、鳥等)にも安全です。
臭いがある事でカベアナタカラダニを部屋の中に入りにくくしているので
3時間置き位、臭いを感じなくなるとスプレーをするようにします。
ハッカ油の変わりにペパーミントのアロマオイルを使う事も出来ます。
その他のアロマオイルでは「ゼラニウム」や「ヒノキ」はダニに効果があります。
殺虫剤
水では流せない壁やカベアナタカラダニそのものには
ダニや歩行性昆虫に効果がある殺虫剤や
不快害虫に効果ある殺虫剤
来年は少しでもカベアナタカラダニが少なくなるように卵がある壁の隙間や穴には
殺虫剤や害虫に効果があるビマックス油剤等を残留塗布します。
カベアナタカラダニの生態
タカラダニの種類や生態ははっきりしていない事からカベアナタカラダニの生態も
わかっていません。ノミのように跳ねる事はなく飛ぶ事もありません。
カベアナタカラダニは人間やペット(犬や猫、鳥等)植物には影響がないと言われ
ています。人間やペット(犬や猫、鳥等)に影響が出てしまうのは
刺される
死骸や糞を吸ってしまう
これらの事でアレルギーや体に良くない症状を起こします。
カベアナタカラダニの場合ほとんど刺す事はなく、餌もストローのように吸って
食べています。
カベアナタカラダニが大量に発生している時でも死骸や糞が舞ってしまう事は
あまりなく、死骸は舞うと言うよりその場にとどまって(動かなくなって)いる
事が多くなります。
カベアナタカラダニの体への反応で報告されている事に
「潰した事で汁が皮膚について炎症・湿疹を起こす事がある」
潰してしまった場合長時間汁が付いたままにせず、すぐに洗い流すようにします。
カベアナタカラダニは潰すと赤い汁が出てしまい、その汁はとても取れにくく
なります。
カベアナタカラダニは
基本的には人間やペット(犬や猫、鳥等)に害はない
アレルギーは起らない
死骸や糞は舞う事がない
赤い汁は落ちにくく、皮膚に炎症を起こす場合があるので潰さないようにします。
駆除する場合は
・水で流す
・掃除機で吸う
・スプレーをする
界面活性剤が含まれている物・ハッカ油・アロマオイル
・殺虫剤
あんなに大量に発生していても7月の終わりから8月にはいなくなります。
5月頃から時には季節関係なく赤い小さい虫が飛ぶ場合があります。
赤い小さい虫が飛ぶ場合はシバンムシの可能性があります。
赤い小さい虫が飛ぶシバンムシについてはぜひこちらも参考にしてください。
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毎年5月になるとカベアナタカラダニが大量に発生します。
住んでいる場所は2階なのですが東西南北関係なく全ての窓の辺りに必ずいます。
水で流せれば良いのですが窓の周りに水を流すわけにもいかず、水をかけただけ
では水の中で動いています。本当に弱い虫なのか?と疑った程です。
神経質に駆除の事を考えていると窓を見るたびに、部屋の中でも常に赤い小さな
虫を探してしまい、ストレスの原因に作ってしまう事になります。
ストレスを和らげる効果もあるハッカ油は本当にお気に入りで毎年作って使って
います。私自身が単純な事からハッカ油の香り成分の効果がききやすい体質なの
かもしれません。
ハッカ油のスプレーだけで全てのカベアナタカラダニを駆除する事は出来ないので
すが「無害」「いなくなる虫」だと思うとそんなに焦らなくなりました。