大みそかになると「年越しそば」を食べているという人もたくさんいると思いますが
・どうして大みそかに食べるようになったの?
・年越しそばを食べるのにはどういう意味があるの?
こう聞かれると、答えることができない人も少なくないでしょう。
そしてそばの疑問も解決していないのに年始には「年明けうどん」を食べる方が良い。
年明けにうどんを食べる習慣も加わってきています。
年末には「年越しそば」
年が明ける、年始には「年明けうどん」
そこで、なぜそうなったのか由来や理由について紹介をします。
年越しそばを食べるようになった由来
・世直しそば
年越しそばを食べるようになった由来はいろいろな説がありますが、有力な説の一つが鎌
倉時代の「世直しそば」の話です。
当時は、貧しくて年も越せないという人達がたくさんいましたが、博多の承天寺では、そ
うした貧しい人達に「そば餅」を振舞いました。
振舞われたそば餅は世直しそばと言われ、その世直しそばを食べた人達が翌年から運気が
上昇したことから、縁起が良いと評判になり、年末にそばを食べるようになったのが由来
だという説があります。
・世直しそば=運気が上昇・縁起が良い
現在のような年越しそばになったのはいつ頃から?
・江戸時代
そばの栽培自体は縄文時代からおこなわれていて、以前、そば粉からつくられていたのは
・麦掻
・そば餅
現在のような麺のかたちをしたそばになったのは16世紀くらいで、庶民にも広まったの
は17世紀と言われています。
現在の麺の形をしたそばを年越しそばとして年末に食べるようになったのは17世紀の江
戸時代からと考えられます。
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年越しにそばを食べる意味
大みそかに年越しそばを食べる意味にはいろいろな諸説がありますが、なかでも有力な説
といわれているものが4つあります。
a.長寿
そばが細く長く伸びるという特徴があることから、長く生きることができます
ようにという願いを込めて年越しそばを食べます。
b.無病息災
そばはやせた土地でもよく育ったり、雨風など過酷な環境のなかでも
しっかりと育ちます。そのようなそばのように、
無病息災で生活を送ることができるように
という願いを込めて年越しそばを食べます。
c.災厄を切り捨てる
そばは簡単に切ることができることから、その年の災厄はきれいに切り捨
てて来年に持ち越さないという意味があります。
ちなみに昔のそばは現在のそばよりも切れやすかった
と言われています。
d.金運アップ
昔の金銀細工職人は、作業中に飛び散ってしまった金銀の粉を、そば粉を
団子にしたものを使って集めていました。
そうしたことから、そば粉は金を集めるということで、
金運アップの願いを込めて年越しそばを食べるとも
言われています。
年明けうどん
年明けに食べるものと言えば、おせち料理やお雑煮などが定番ですが、年明けうどんとい
うものがあることをご存じでしょうか?
年明けうどんというものがあることを初めて知ったという人もたくさんいると思います。
年明けうどんの由来や年明けになぜうどんを食べるのか、その理由には
年明けうどんの由来とは
・2008年頃から始まる
年明けうどんは2008年に発足した香川県のさぬきうどん振興協議会によって普及が始ま
ったのが由来です。
2000年代になって、うどんを始めとする麺類の小麦使用量が減少していたのが問題視さ
れ、その対策としてうどんを食べる行事や習慣をつくっていこうということで考えられた
のが年明けうどんです。
年越しそばの始まりの江戸時代頃に比べると、年明けうどんは2000年頃からですが、
2011年香川県が「うどん県」に改名したことで、どちらかというと西日本のイメージが
あったうどんも全国的に広がり、年明けうどんもどんどん広がっています。
年明けうどんに込められた意味
・自分にとって価値のある人生を過ごせる
うどんの太く長いという形状から、年明けうどんを食べると太い人生を長く過ごせる
ようになるという意味が込められています。
年末に食べる年越しそばは細く長い形状から、細く長く生きるという意味が込められてい
ますが、年明けうどんにもその形状からは長寿を願うという意味も込められていますが、
中身の濃い太い人生を送りたいという願いも込められています。
年明けうどんはいつ食べる?
・元旦から15日まで
年明けうどんという言葉から年明けにうどんを食べるということは想像がつくと思います
が、年明けというのはいつ頃までなのかという疑問をもつ人もいるでしょう。
年明けうどんの普及活動をおこなっているさぬきうどん振興協議会では、年明けの期間を
元旦から15日までと定めているので、年明けうどんは元旦から15日までに食べます。
年越しにもうどん
年明けうどんのことを初めて知った人は
「年明けにうどんを食べている人は年越しにもうどんを食べているの?」
こんな疑問をもつ人もいると思います。
さぬきうどん振興協議会によって年明けうどんが普及されていき、年明けうどんを食べる
人が増えてきているだけではなく、年末に年越しうどんを食べる人も実は増えています。
年越しうどんの由来
・年明けうどん→年越しうどん
年越しうどんの発祥は、年明けうどんと同じうどん県として有名な香川県です。
香川では2008年に讃岐うどん振興協議会というものが発足されました。
讃岐うどん振興協議会はうどんをもっと多くの人に食べてもらいたいという目的で発足さ
れましたが、その普及活動の大きな目玉となったのが年越しうどんではなく、年明け
うどんです。
年明けに縁起物としてうどんを食べようという年明けうどんの活動が徐々に浸透して
きて、その後、年明けだけではなく年末にも年越しうどんとしてうどんが食べられる
ようになったというのが年越しうどんの由来です。
年越しうどんを食べる意味
・幸せに過ごせる
・良い運気を引き寄せる
年越しうどんを食べる意味は、うどんの麺が太くて長いことから、太く長く幸せに過ごす
ことができるようにという願いが込められていると言われています。
また、うどん(うんどん)ということで、良い運をどんどん引き寄せるという意味もある
とも言われています。
香川県の人はみんな年越しうどん?
香川県では年越しそばではなく、年越しうどんが食べられているということを聞くと
香川県の人はみんな年越しうどんを食べているように感じるかもしれません。
年越しうどんを食べるようになった歴史はまだまだ浅く、うどんではなく蕎麦を食べると
いう人もたくさんいます。
何より香川にはうどん専門店だけではなく蕎麦の専門店もあります。
年越しに食べるのはうどんか蕎麦かは地域によって決まっているということもなく、各家
庭によって好きな方を食べられています。
年越しそばも年越しうどんもあくまで縁起物なので、どちらを食べなければならないとい
う決まりはありません。
そして、年越しはそばを食べて、年明けにうどんを食べても問題ありません。
食べる意味でみてみると
そばとうどん共通
・長く伸びる:長寿
・簡単に切ることができる:災厄を切り捨てる
そば
・過酷な環境でも育つ:無病息災
・そば粉を団子で金銀の粉:金運アップ
うどん
・太く長く:幸せに過ごせる
・うどん(うんどん):良い運をどんどん引き寄せる
「そばよりもうどんが好きだ」という人、年越しそばを食べたいけど蕎麦アレルギーで
食べることができないという人もいると思います。
願いで「年越しそば」「年越しうどん」そして「年明けうどん」を縁起物として食べ分け
たり、追加したりすると運気が上昇しそうな気もします。