彼岸花(ヒガンバナ)と聞いてどんなイメージが浮かぶでしょうか?
『彼岸』と名前に付いていることから『死者』を思わせる。
墓地に咲いていることから『不吉な』『怖い』
こんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
実は、花言葉自体には怖い意味はありません。
今回は、そんな彼岸花の花言葉を花の色別に、また彼岸花の特徴や咲く時期、
名所をご紹介していきます。
彼岸花の花言葉、意味
ヒガンバナ科のヒガンバナ属に分類されている彼岸花は球根植物です。
その花言葉は、
・情熱
・独立
・再会
・転生・
・悲しき思い出
・諦め
・思うはあなた1人
・また会う日を楽しみに
『転生』や『悲しき思い出』『また会う日を楽しみに』など墓地に咲いている
イメージと合うような故人を偲ぶような意味合いが多いですね。
インターネット上で話題になった話では、とある飼い主の方が亡くなった猫を
埋めたところ、そこから彼岸花が生えたそうです。
『また会う日を楽しみに』という花言葉があると知って飼い主の方も感動した
そうです。
彼岸花の花言葉、色別の花言葉
彼岸花はその赤い花が一般的に知られていますが、実は他にも黄色、白など複
数の色が存在します。それでは、色別に花言葉をみていきましょう。
彼岸花の花言葉:黄色
黄色の彼岸花の花言葉には
・追想
・深い思いやり
・陽気
・元気な心
『陽気』や『元気な心』などは、ユリや菜の花など他の黄色い花と同様の意味
があります。追想とは、過去のことを思い出し偲ぶことです。
彼岸花の花言葉:赤色
赤い彼岸花の花言葉には
・情熱
・独立
・再会
・悲しき思い出
・諦め
赤い花には『情熱』という花言葉が多いように彼岸花も例外ではありません。赤い花にはネガティブな花言葉は少ないのですが、彼岸花には『諦め』や『悲
しき思い出』などの言葉があります。
彼岸花の花言葉:白色
白い彼岸花の花言葉には
・思うはあなた一人
・また会う日を楽しみに
恋愛的に捉える言葉としても捉えられますが、彼岸花の場合には故人に向けて
の言葉と捉えられます。
ここまででわかるように、元々『不吉』や『怖い』といったイメージのある彼
岸花ですが、亡くなった方に対する敬愛や追悼といった意味を持つ花とも言え
ます。
亡くなった方へ向けた花言葉が多いので贈り物としては向いていませんが素敵
な花ですよね。
彼岸花について
彼岸花の他の植物と違う特徴として、花が先に咲いて、その後に葉が出てくる
というものがあります。つまり、花も葉も同じ時期に見られることはないので
す。
彼岸花:韓国
韓国では、「花は葉のことを思い、葉は花のことを思う」と言われ彼岸花は相
思花(サンチョ)とも呼ばれています。
彼岸花:英語、スペイン海外
日本では『不吉』『怖い』と言ったイメージのある彼岸花ですが、海外ではガー
デニングに使われる花として人気があります。
彼岸花は英語名で、スパイダーリリー(Spider Lily)と呼ばれ学名は、リコリ
ス(Lycoris radiata)と言います。
リコリスは、ギリシャ神話の女神の名前から由来したと言われていることも、
人気のある1つの理由かもしれません。
リコリスと言うと、スペインカンゾウという植物も英語名でリコリスと言うの
でよく混同されてしまいます。彼岸花のリコリスはLycorisであるのに対し、ス
ペインカンゾウのリコリスはliquoriceなので間違えないようにしたいですね。
彼岸花の毒
彼岸花は、有毒性のある植物で花や茎、球根など全ての部位に毒性がありま
す。それゆえに、毒花や痺れ花とも呼ばれています。
彼岸花が生えている場所は、田んぼの畦道やお墓が多いですよね。
その理由が、この毒性にあるのです。
昔日本がまだ土葬をしていた頃、お墓がもぐらやねずみなどの動物に荒らされ
るのを防ぐためにお墓の周りに彼岸花を植えたといいます。
動物はその毒を避け近寄らなくなるためです。
田んぼや農地なども同じ理由で、畑を荒らされるのを防ぐために彼岸花を植え
ました。
彼岸花と曼珠沙華彼岸花
彼岸花は曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれています。曼珠沙華というの
は、法華経に登場するサンスクリット語に由来している彼岸花の別名です。
曼珠沙華は天界の花という意味を持っており、法華経にはブッダが説法中に花びら
が天界からひらひらと落ちてきたという記述がある縁起の良い花です。
彼岸花:タトゥー、意味
彼岸花は、刺青・タトゥーのデザインとしても使われることがあります。
ここまでで見てきたように、『情熱』や『深い思いやり』、『思うはあなた1
人』などの花言葉を気に入って入れる人が多いようです。
左右対称のデザインは首などに、非対称のデザインは指や耳の後ろ、胸の上などに
よく入れられています。
彼岸花の時期
彼岸花は、毎年秋分の日前後、彼岸の時期に咲くと言われており、彼岸花という
名前もここから由来しています。
花の見頃は、品種によっては7月頃から咲いている花もあります。基本は9月下旬とさ
れており、特に雨の降った後は花の開花にとって良い条件となるので一斉に咲き乱れ
ることがあります。
彼岸花の名所
埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)は彼岸花の名所として知られています。秋の
見頃になると、一面が真紅に染まり、赤い絨毯を敷き詰めたようだと言われています。
彼岸花が群生したきっかけについては、巾着田を流れる高麗川の上流から彼岸花の
球根が流れてきたからではないかと言われています。
その後、少しずつその美しさが報道されるようになり今日の名所となったそうです。
今回の記事では、彼岸花の色別の花言葉や特徴、時期、名所をみてきました。
『不吉』で『怖い』イメージのある彼岸花ですが、実際の花言葉には故人を偲ぶ素敵な
意味合いがありました。彼岸花に対するイメージも変わったのではないでしょうか?
通常の贈り物には向かない花ですが、適切なタイミングで贈れば受け取った相手の心
に響く贈り物になりそうですね。