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みかんの栄養 効果は健康維持に期待できる!

2019年7月20日

みかんは漢字で書くと「蜜柑」
一般的なみかんは温州みかんのことを指します。

みかんの果肉1つ1つには甘みが詰まっていて、柑橘類の中でも特に好き!という方は多いと
思います。1つ食べるとついつい2個、3個と止まらなくなってしまいますよね。

今回はそんなみかんの栄養効果やおいしいものの選び方など、意外と知らないみかんの魅
力をたっぷりとご紹介します。

風邪予防だけじゃない!みかんの栄養効果とは?

普段何気なく食べているみかん。
実は皮から実まで、たくさんの栄養で詰まっています。

どんな栄養効果があるのか、そしてそれがどの部位に多く存在するのか気になりますよね。

ビタミンC

みかんには多くのビタミンCが入っています。

その量100g中35g!

3つ食べれば成人が必要な1日のビタミンをまかなうことができてしまいます。

ビタミンCには体内の免疫力を高め、風邪の原因となる細菌やウイルスなどの抵抗力をつ
ける働きがあるため、風邪などの病気予防が期待できます。

それだけではありません。

悪玉コレステロールを抑制する働きがあり、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞の予防にもつなが
ります。これは、ビタミンCの抗酸化作用が悪玉コレステロールの酸化を防ぐ役割がある
からです。

さらに、女性にとって永遠の悩みでもある、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の
沈着を防ぐ効果も期待されています。

ビタミンCが、メラニン色素の原因「チロシン」を生成する酵素である「チロシナーゼ」
の活性化を防ぐ働きがあるためです。

また、体内に吸収されにくい「鉄」を吸収しやすいかたちに変える作用もあるため、貧血
の方にもとてもおすすめの栄養素なのです。意外ですね。

ビタミンCはみかんの果肉だけではなく、袋や白い筋にも入っているので、みかんを食べ
るときは皮を剥いて丸ごと食べましょう。

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β-クリプトキサンチン

みかんには、β-クリプトキサンチンという成分も含まれています。

β-クリプトキサンチンとはカロテノイド系色素の1つで、果肉に特に多く含まれており、
みかんの橙色を作り出しています。

この成分は他の柑橘類よりも温州みかんに多く含まれていて、その量はオレンジの約100倍!
一見同じような色に見えるのに驚きですね。

β-クリプトキサンチンはオレンジの約100倍!

βクリプトキサンチンは骨粗しょう症の予防や免疫力の向上に非常に有効な栄養素です。

また、抗酸化作用により血糖値の上昇を抑え糖尿病予防になったり、がんの発生予防にも
なったりします。

効果的にとるには、飲酒や喫煙を控えたほうが良いと言われています。

これは、飲酒や喫煙により活性酸素が発生してしまい、それを抑えるためにβ-クリプト
キサンチンの抗酸化作用が浪費されてしまうからです。

ヘスペリジン

ヘスペリジンはポリフェノールの一種で、これも抗酸化作用を持っています。
そのため様々な病気への抵抗力が期待される中で、一番の特徴は

「体の冷えを軽減する効果があること」

ヘスペリジンを摂取すると手足などの抹消への血流が維持され、体の温度が適温に保た
れ、冷え性が軽減することが分かっています。

また、ビタミンCを安定させて体内への吸収率を上げることが分かっています。

ヘスペリジンはみかんの皮と、みかんの実の周りに付いている白い筋(正式名称:アルベ
ド)に多く含まれているので、白い筋を捨てずに、実と一緒に食べるようにしましょう。

ソラレン

みかんを含め、柑橘類にはソラレンという光毒性物質が入っています。
この物質は、紫外線に対する感受性を高め、吸収しやすくしてしまう作用があるのです。

紫外線を吸収しやすくなることは、女性の敵、シミやそばかすの原因に直結します。恐ろ
しいですよね。

ただし、このソラレンが含まれているのは皮の部分のみなので、みかんの皮を剥けば問題
ありません。
朝にフレッシュジュースを飲む場合は、必ず皮を剥いてから絞ってくださいね。

皮をペースト状やジャムにして食べたり、お風呂に入れてみかん風呂にしたりする方も多
いと思います。その場合は朝ではなく夜に摂取・実行すれば、ソラレンの光毒性作用の持
続時間は7時間といわれているので、問題ありません。

ソラレンが含まれているのは皮の部分

みかんの栄養ドライフルーツにしたらどうなる?

ドライフルーツにすると、水分が抜けることによって栄養素がギュッと濃縮されます。

ビタミンC

ビタミンCは1割程度しか残らない。

みかんの栄養素といえば、ビタミンCですが、残念ながらみかんをドライフルーツにする
とビタミンCの約9割が熱によって破壊されてしまいます。

どうしてもビタミンCをみかんのドライフルーツに残したい場合は、日陰で乾燥させると
良いでしょう。
空気が乾燥している冬ならば、短時間で乾燥させることができそうですね。

カリウム

乾燥させるとカリウムを豊富に含みます。

カリウムは体内の余分な水分を排出し、むくみを解消する効果があるので、むくみやすい
女性にはおすすめの栄養素です。

また、同様の効能により、体内の余分な塩分も同時に排出させることができるので、高血
圧予防にも効果的です。

ペクチン

ペクチンも豊富に含みます。
ペクチンは水溶性の食物繊維です。

水分と結合することでゲル状になる性質を持っています。なんとゲル状になると余分な脂
肪や糖に吸着して、吸収を抑えるのだとか。ダイエットに最適な栄養素です。

また、血液中の悪玉コレステロールの値を下げる効果もあります。
動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病を予防する栄養素として、近年非常に注目を集めています。

ジュースにすると栄養素はどうなるの?

100%のみかんジュースなら、これまでにご紹介した生のみかんのほとんどの栄養素の効
能が残ります。

しかし、市販のジュースはその多くが低温殺菌されています。

この加熱により、ビタミンCが破壊されてしまっていることを覚えておきましょう。よっ
て市販のみかんジュースにビタミンCの効果はあまり期待できません。

ただし、ジュースによってはビタミンCが添加されているものもあるので、原材料の表記
をよく確認してみましょうね。
また、みかんジュースおよそ300mlでみかん3個分に相当します。

みかんには風邪予防・病気予防・美肌効果・抗酸化作用…など、様々な効果が期待される
ことが分かりました。

また、加工することによって栄養の変化があることも分かりましたね。それぞれの栄養の
特性を知った上で、病気予防には生のみかん、むくみ改善にはドライフルーツ、など、目
的によってうまく食べ分けましょう。

缶詰にされてみかんの栄養素は?ビタミンCはどうなるの?

前述で、ビタミンCが熱に弱いことは分かりました。
缶詰も製造過程で高温で殺菌しますが…ビタミンCはどうなるのでしょうか。

実は、缶詰をつくる際には真空状態で加熱殺菌するため、ビタミンCはそこまで多くは減
りません。同じ質量で生の果肉と比べて、約6割程度残ります。

他の栄養素も、この殺菌によって減少することはほとんどありません。ただし、シロップ
には砂糖が多く入っていて、糖質が高いので、食べすぎには注意しましょう。

みかんが青いとき、どのような栄養素があるのか

青いみかんは甘みがなく、非常に酸味の強いみかんです。
しかし近年、青いみかんの栄養素も注目されています。

青いみかんには脂肪燃焼に効果的なシネフロンが豊富に含まれています。

また、前述した有効成分ヘスペリジンは、実の成熟時よりも未熟児の青いときのほうが皮
に多く含まれています。そのため、サプリメントや医薬品の開発に向けて、大学や企業で
の研究が進み、注目を集めています。

みかんの栄養の効果:子どもや赤ちゃん

みかんは保育園や幼稚園のデザートとして出されるほど、お子様にとっての栄養素がたっ
ぷりでおすすめの果物です。

特にビタミンCは風邪予防になったり、お子様に不足しがちな鉄分の吸収を助けます。

食べ方としては、筋や袋にも有効成分がたっぷり入っているので、皮を剥いてそのまま食
べるのが良いでしょう。ただし、1~2歳のお子様は1日1個を目安としましょう。

では赤ちゃんにはいつからみかんを上げても良いのでしょうか。
答えは生後5.6カ月頃からです。

ただし、万全を期して最初の頃は加熱してあげましょう。
加熱すると衛生上安全ですし、酸味を和らげることができます。

アレルギーは、オレンジのほうがなりやすく、果物のアレルギーは学童期から成人にかけて
の発症率が高いので、過剰に心配することはありませんが家族にアレルギーあれば気をつ
ける必要はあります。

さらに、妊婦さんが食べても問題はありませんが、糖分の過剰摂取による妊娠糖尿病には
くれぐれも注意しましょう。1日1個程度にするのが無難です。

みかんを食べすぎると体が黄色くなるって本当?

みかんを食べすぎると体が黄色くなるのは本当です。

これは先にご紹介した、みかんの橙色を示すカロテノイド系色素、β-クリプトキサンチ
ンが体内の脂肪につくためです。

これを「柑皮症」といいます。みかんを食べるのを止めれば自然に元に戻るので、体に害はあ
りません。しかし、みかんは水分含有量が高く、過剰に食べると体が冷えるので、下痢になり
やすくなります。お子様は特に食べすぎないように注意することが必要です。

また、肝臓への負担が大きくなります。ビタミンCを過剰摂取すると肝臓に負担がかかり、
こちらも下痢や腹痛、頭痛の原因です。

糖分も入っています。小ぶりのみかん10個で大きめのショートケーキ1個分の糖分になる
ので、ダイエット中の方はほどほどにしましょう。

みかんのカロリー

生のみかんから加工したみかんまで、気になるカロリーをご紹介します。

・みかんのカロリー:約35 kcal(皮を剥いた可食部1個当たり)

・100%みかんジュースのカロリー:約41kcal(100gあたり)

・みかんの缶詰のカロリー:約64kcal(シロップを抜いた可食部100gあたり)

・砂糖漬けでないドライフルーツのみかんのカロリー:約176kcal(100gあたり)

ほかの果実と比べてもバナナが77kcal、りんごが145kcalなので、果物の中でも比較的
カロリーが低いほうなのです。あんなに甘くても低カロリーとは驚きですね。栄養価も高いの
で、ダイエットにも向いている食べ物です。

ダイエットには効果的なの?焼きみかんダイエットって?

前述したとおり、みかんには様々な有効成分が入っているうえに、他の果物と比べて低カロ
リー、さらに食べ応えがあるということでダイエットには効果的と言えます。

代表的なみかんダイエットとして、焼きみかんダイエットがあります。

焼きみかんダイエット

みかんを40度くらいのお湯で湯通しし、コンロなどで網焼きにします。皮がパンパンに
なったら食べごろで、なんと皮も食べられます。

皮を食べない場合でも、焼くと皮の有効成分が果肉に浸透しますので、生で食べるよりも
高い栄養効果が期待できるでしょう。

焼くことによって、果肉の糖度が8.1から9.1にまで上がるので、甘さが増して何倍にもお
いしく感じられます。

そしてこれを、食前に食べましょう。

食事の前に食べることによって食事から摂取される脂肪吸収を抑制できます。
また、満腹中枢が早めに満たされるので、食べすぎ防止にも砂がります。この時、必ず1
日3個までにしましょう。食べすぎるとかえって糖分の摂りすぎで太ってしまいます。

みかんを食べる時間帯はいつがベスト?

ポイント

みかんを食べるタイミングは、朝が良いでしょう。

みかんに入っているソラレンが紫外線の吸収を促進してしまう、という話もありますが、
ソラレンが多く含まれているのはみかんの皮なので、皮さえ摂取しなければ紫外線を浴び
る時間帯に食べても問題ありません。

朝は活動するためのエネルギーを体が必要としているため、栄養価が高いフルーツを摂取
するのが手っ取り早く、効果的です。

反対に、夜に食べると水分が多く下痢になりやすくなったり、体が冷えてしまったりしま
す。また、食べた後に消費する運動が少ないので、入っている糖が肥満につながる恐れもあ
ります。これらのことから、なるべく朝に食べるのが良いですね。

みかんの食べ合わせ!NGな食べ物をしっかり覚えておこう

みかんは食前に食べるとダイエットに、カロリーが低いので食後のデザートにもぴったり
なことが分かりましたね。

では、食べ合わせの面ではどんな効果があるのでしょうか。
OKな食べ合わせからNGな食べ合わせまでをご紹介いたします。

おすすめ!一緒に食べたいOKな食べ合わせ

ネギ・シソ・ショウガ・かぼちゃ

風邪予防や免疫力を上げる効果が期待されます。

バナナ・パイナップル・スイカ

高血圧予防、コレステロールの低下が期待されます。

ヨーグルト・マンゴー・ブロッコリー

がん予防に効果があるとされています。

いちご・りんご・セロリ・アスパラガス

消化を助け、便秘解消に効果があるとされています。

乳製品

みかんに含まれる栄養の吸収を助けてくれます。

以前は「消化が悪くなるのでみかんとの食べ合わせは良くない」と言われていましたが、
近年、一緒に食べても問題ない、むしろ良いことが分かりました。

なるべく時間を空けよう。一緒に食べるのはNGな食べ合わせ

甘いフルーツ

みかんは甘いフルーツの消化の働きを妨げます。

そのため、消化に時間がかかってしまいます。

デンプン質の多い食べ物

サツマイモ・ジャガイモなどデンプン質の多い食べ物を一緒に食べると、
消化に時間がかかります。

また、みかんに含まれる浄化作用がデンプン質によって失われてしまいます。
美味しく、栄養価が高いみかんですが、実はNGな食べ合わせがあることを覚えておき
ましょう。

みかんとオレンジ違い

みかんとオレンジの違いと言われてもちゃんとしたなかな説明をするのはなかなか難しい
ですよね。皮の厚さ?甘さの違い?みかんとオレンジは全く別の種類です。以下にその違
いをまとめました。

原産地 皮の厚さ、食感 栄養 カロリー
みかん 温州みかん 皮が薄く剥きやすい
味はあっさりしてい
る種がない品種が
多い
抗酸化作用のある
β-クリプトキサン
チンが多い
皮を剥いた可食部
カロリー
46kcal/100g
オレンジ バレンシア
オレンジ
皮が分厚い
香りが強く味は濃厚
種がある
ビタミンCがみかん
よりも若干多い
皮を剥いた可食部
カロリー
39kcal/100g

食べる際に、皮が剥きやすく、あっさりしているのがみかん、皮が厚く、味が濃厚なのが
オレンジですね。

栄養面では、オレンジのほうがビタミンCは多く含まれていますが、抗酸化作用が期待さ
れるβ-クリプトキサンチンはみかんのほうが圧倒的に含まれています。

また、オレンジはみかんに比べて酸味が強いことによって、食べすぎると食道逆流の原因
になってしまうようです。食べすぎには注意して、1日2個程度にしましょう。

みかんとオレンジ選ぶなら

  • ジュースにするなら「オレンジ」
  • 風邪予防には「みかん」

みかんを食べると、風邪予防、糖尿病予防、がん予防、美肌効果、カロリーが低い…など、
体に良いことづくしということが分かりました。

おいしく食べるために、ポイントを押さえて慎重に選びましょう。

果物の中でも比較的日持ちするみかんですが、やはり生き物なので、長く放置すると傷ん
でしまいます。
2週間を目安に正しく保存し、おいしいうちにしっかり味わってくださいね。

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